介護の資格の最初の一歩におすすめ!「生活援助従事者研修」とは?

資格・スキル

食器を洗う女性「生活援助従事者研修」は、初めて介護の資格を取る方や、介護の基本を知りたい方におすすめの公的介護研修です。平成30年に新設された資格で、この研修を修了すると介護の理念や高齢者とのコミュニケーション法など、介護の基礎を学ぶことができます。

取得のハードルは低めですが、民間資格ではなく公的資格なので信頼性が高く安心。介護系唯一の国家資格である「介護福祉士」受験で必須となる研修では、重複するカリキュラムを省略OK。だから学んだことがムダにならず効率よくスキルアップを目指せます。それではさっそく詳しい内容について見ていきましょう。

生活援助従事者研修とは

洗濯物を取り込む女性
介護の基本についてコンパクトに学ぶことができる公的研修です。修了すると訪問介護事業所でホームヘルパーとして、「掃除」「洗濯」「調理」「買物代行」などの生活援助サービスを行えるようになります。

無資格でも働くことはできるのですが、この資格で基礎知識を身につけていれば、先輩からの指示も理解しやすくなりその分仕事に慣れるのもスムーズに。また訪問介護事業所の人員基準(常勤換算2.5人以上)になっているため、就職活動の際に有利になることもあります。

介護の入り口資格という位置づけになるので、介護の知識や経験がまったくないという方や、介護の世界をちょっと覗いてみたいという方、身体介護以外のことで高齢者と関わりたい方にもおすすめできる資格となっています。

かかる費用・時間・カリキュラム内容は?

スケジュールと時計

受講資格

とくに受講資格は設けられておらず、年齢・性別や職歴問わずどなたでも受講が可能です。

受講にかかる費用

スクールによって3,000円~30,000円と幅が大きいですが、テキスト代を入れてだいたい2万円程度までの価格帯が多くなっています。都道府県によっては無料で受講できる場合や補助を受けられる場合がありますので、お住まいの自治体のホームページで情報をチェックしてみてくださいね。

修了までにかかる期間

研修の総時間数は59時間となっており、そのうち半分近くの29時間は通信形式でも受講が可能です。ギュッとまとめて学習する場合は1日6時間×2週間程度、週1日のスクーリングと通信形式を併用するなら2ヵ月程度が平均受講期間となります。

カリキュラム内容

職場の理解 2時間
介護における尊厳の保持・自立支援 6時間
介護の基本 4時間
介護・福祉サービスの理解と医療との連携 3時間
介護におけるコミュニケーション術 6時間
老化と認知症の理解 9時間
障害の理解 3時間
こころとからだのしくみと生活支援技術 24時間
振り返り 2時間
職場の理解 2時間
介護における尊厳の保持・自立支援 6時間
介護の基本 4時間
介護・福祉サービスの理解と医療との連携 3時間
介護におけるコミュニケーション術 6時間
老化と認知症の理解 9時間
障害の理解 3時間
こころとからだのしくみと生活支援技術 24時間
振り返り 2時間

要介護の高齢者と接するときに役立つ知識が総合的に身につく内容となっています。研修の最後には30分程度の筆記試験がありますが、確認のためのテストですので難易度は高くなく、もし不合格になっても再試験ができるので安心してくださいね。

スキルアップがしやすいメリット

勉強している介護士
介護の仕事に飛び込もうというとき、最初の一歩として自信をつけてくれる「生活援助従事者研修」。しかし仕事に少しずつ慣れてきたら、生活援助だけでは物足りなくなるかもしれませんね。身体介助もできれば仕事の幅が広がり、給与もやりがいも確実にアップします。

ただホームヘルパーとして身体介助もできるようになるには、ひとつ上の資格である「介護職員初任者研修」を修了する必要があり、通常なら130時間のカリキュラムをこなす必要があります。

すでに生活援助従事者研修を修了していれば、重複する内容を省略できるため、残りのカリキュラムだけ修了すればOK!一度受けた研修がムダにならないのはうれしいですね。

本当は「介護職員初任者研修」を取得したいけれど、最初から130時間もかかるのはハードルが高い・・・そう感じる人は、まず手始めに生活援助従事者研修を修了し、実務を積んでから介護職員初任者研修で残りのカリキュラムをこなす「二段階方式」がオススメ。費用や時間の負担を分散させることができるので、ムリなく資格を手に入れることができますよ。

訪問介護を中心に幅広く活躍できる!

訪問する介護士

訪問介護事業所で

要介護の高齢者の自宅を訪問して生活援助を行います。掃除や洗濯、料理などの家事スキルが活かせて、利用者様やご家族から感謝されるやりがいのある仕事。力が必要になる身体介護はしないので、体力に自信がないシニアの方も十分活躍が可能です。

デイサービスや老人ホームなどの介護施設で

介護施設で介護助手・介護補助員として活躍することができます。ベッドメイキングや掃除といったマニュアル仕事だけでなく、高齢者の見守りやお話相手、趣味活動のお手伝いなど、専門知識がなければできない仕事も安心して任せてもらえるようになりますよ。仕事の幅と楽しみがグッと広がります。

自宅介護で

介護や病気についての知識が増えることは、自宅での家族介護にも大いに役立ちます。日頃お世話になっている介護職員やケアマネジャーとのやりとりも、専門知識を持つことでグンとスムーズになるでしょう。

地域のボランティア活動で

ご近所に一人暮らしの高齢者がいて心配なとき、また地域のボランティア活動で高齢者と接するときなどに、コミュニケーション術や病気についての知識が大活躍。相手の困りごとに気付いて助けになれたり、認知症に早めに気付いて公共のサポート機関とつなげることができたりと、高齢化社会に幅広く貢献できる資格です。

知識をつけて介護の不安を吹き飛ばそう

相談する女性
空いた時間を活用しやすい仕事として、ホームヘルパーや介護施設での介護補助のパートといった求人はたくさんあります。家事スキルやコミュニケーションスキルを活かして人の役に立ちたい方には、もってこいのお仕事ではないでしょうか。

ただし接する相手は要介護の高齢者なので、「ふだんと同じ感覚で」というわけにはいきません。安全な環境づくりや状態を観察して正確に伝えるスキル、認知症の方との適切なコミュニケーションスキルなど専門的な知識も求められます。

最短2週間ほどで気軽に受講・修了することができる「生活援助従事者研修」は、それらの知識をギュッとコンパクトにまとめた、介護の入り口となる資格です。

「介護ってどうなの?」「よく分からないし、できるか不安」と思っているなら、きっと研修を修了することで「なるほど、こういう感じか」「これならできそう」という自信になるでしょう。

また介護に慣れるなかでスキルアップがしたくなったときは、段階的にステップを踏んでムダなく上位資格を取得していけます。興味のある方はぜひ、勇気を出してチャレンジしてみてくださいね!

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