在宅介護インストラクターってどんな資格?取得方法と活かし方

資格・スキル

高齢女性の車椅子を押す笑顔の女性

「親が倒れたら面倒を見るのは自分だけど、うまくできる自信がない」「介護って分からないことだらけで不安」・・・そんな悩みを持っている人にぴったりの資格が、「在宅介護インストラクター」です。

この資格は、介護する人にとって負担の少ない正しい介助方法や、介護ストレスの対処法、介護離職を防ぐ知識など、家族介護をする人に必須の知識を身につけていることを証明してくれる資格。

正しい知識は家族介護で心身ともに疲弊してしまう事態を防ぎ、介護ストレスを軽減することに役立ちます。興味のある方はぜひチェックしてみてくださいね。

在宅介護インストラクターとは

「在宅介護インストラクター」は、一般財団法人「日本能力開発推進協会(JADP)」が認定する介護系の民間資格です。法人が指定する教育機関で4ヵ月程度の通信講座を修了し、その後資格試験に合格すれば取得することができます。

「在宅介護」とは、要介護高齢者が自宅で介護を受けながら生活すること。主に介護を担うのは、同居する家族である場合が主流です。しかし介護や病気の知識がない多くの人にとって、家族介護は精神的にも肉体的にも大きな負担に。

この「在宅介護インストラクター」は、通信講座で在宅介護の正しい知識や役立つ情報を身につけることができます。またその後資格試験を受け合格することで、それらの知識と技術を持っていることを証明できるようになります。詳しい内容や取得方法について、さっそく下記で見ていきましょう。

どんなことが学べるの?

PCで自宅学習する女性

「在宅介護インストラクター」資格取得講座は、通信教育「資格のキャリカレ」で申し込むことができます。4冊のテキストと映像講義、質問サポートを通じ、4ヵ月程度で以下のような内容が学べます。受講費用はWEB申し込み一括払い価格で62,800円(税込)となっています。

《在宅介護インストラクター資格取得講座 学習内容》
  • 身体への負担が少ない介護術(ボディメカニクスに基づく介護術、腰痛の予防と対策)
  • 介護ストレスの解消方法(高齢者の症状や病気に応じたコミュニケーション、心構えと仲間づくり、介護うつの防止と対策)
  • 仕事と両立させるノウハウ(会社や上司との交渉の仕方、介護保険制度やサービスの利用方法、自分の時間を作るスケジュール管理術)
  • 合理的、効率的な介助スキル(日常生活動作の介助方法、高齢者の栄養と食事、生活環境の整え方)

高齢者の病気について学ぶなかでは、認知症や認知症ケア技法についても基本知識を得ることができたり、着替えや入浴、排泄や清拭の介助のコツなども学習できるようになっています。

突然家族介護が始まって何も分からず困っているという人や、そういった時のために備えておきたいという人には、すぐに役立つ情報が詰まった講座と言えそうです。

在宅介護インストラクター資格取得講座」(資格のキャリカレ)

資格の取得方法

オンライン学習をする女性

通信講座のカリキュラム修了後は、随時、「在宅介護インストラクター」資格試験を在宅受験することができます。日本能力開発推進協会ホームページから試験を申し込み、受験料(税込5,600円)を支払うと、自宅に検定試験問題が送られてきます。

試験といってもテキストを見ながら自宅で受験することができるうえ、70%以上得点することができれば合格なので、難易度は低め。試験に合格すれば認定証と認定カードが付与されます。

在宅介護インストラクター(一般財団法人日本能力開発推進協会ホームページ)

どんなメリットがある?

外を眺める車椅子の女性と車椅子を押す女性

「インストラクター」という名前から「指導者」といったイメージを持ちがちですが、どちらかというと介護職員など介護のプロ向けというより、家庭で役立てたい人をターゲットにした資格です。

自らの家族介護に活かす以外にも、たとえば近隣の介護施設でボランティアをしたり、家族介護に悩む友人の相談に乗ったりする際には、この資格がよい自信になると考えられます。

ただし国や自治体が認定する公的資格ではなく、民間団体が認定する民間資格なので、介護施設への就職を希望しているような場合には、強いアピールにはならないことも覚えておきましょう。

介護の初級資格は他にも

テキストとノート、ペンと付箋

せっかくお金と労力をかけて資格を取るなら、家族介護に役立てるだけではもったいないと思いませんか。「できれば先を見据えて仕事にもつながる資格が取りたい」という人におすすめなのが、公的な介護の資格です。

先々介護業界で働こうと考えた場合にも評価が高く、就職で有利になったり、時給アップにもつながりやすくなります。はじめて介護の資格を取る初心者の方に適した公的資格を2種類ご紹介します。

生活援助従事者研修

費用:15,000円~30,000円程度
研修時間:59時間
学べる内容:介護の基礎知識が身につき、訪問介護でホームヘルパーとして生活援助(掃除や洗濯など、利用者の身体に直接触れずに行うサービス)ができるようになる

こちらのコラムも参考に≫「介護の資格の最初の一歩におすすめ!「生活援助従事者研修」とは?

介護職員初任者研修

費用:3~13万円程度
研修時間:130時間
学べる内容:高齢者とのコミュニケーション技術や認知症等の病気の知識、実技演習を通し介護技術など、介護職員としての基本知識と実践技術を身につけることができる

こちらのコラムも参考に≫「働きながら介護職員初任者研修の資格を最短で取得しよう

上記2種は介護の公的な初級資格で、どちらも家族介護に役立つ介護の基礎知識を学ぶことができます。介護業界での評価が高いのは「介護職員初任者研修」のほうですが、「生活援助従事者研修」はより手軽に取得できるのが魅力。

将来的にスキルアップとして「介護職員初任者研修」を受けようと思った際にも、重複するカリキュラムは免除されるため効率的です。ただし「生活援助従事者研修」は講座数が少なめなため、お住まいの地域によっては受けられないことがあるかも。受けられるようであればぜひ検討してみてくださいね。

正しい知識で在宅介護を快適に

車椅子に座る高齢女性の手を握る笑顔の女性

「在宅介護インストラクター」は、在宅介護について知りたい介護初心者に適した資格。家族介護に役立つ内容になっているため、興味があるなら取得を検討してみてはいかがでしょうか。

ただし知名度はそれほど高くない民間資格であり、さらに取得には7万円弱の費用がかかるため、それらの点が気になるなら異なるチョイスがおすすめです。公的資格である「介護職員初任者研修」や「生活援助従事者研修」が候補になるでしょう。

とくに「介護職員初任者研修」は介護の入門資格としてよく知られており、介護の基本から実践まで幅広い知識を身につけられます。介護業界でしっかり評価されている資格なので、今後介護の仕事に興味を持つことがあれば必ず役に立つはず。ぜひこちらも併せて検討してみてくださいね。

※掲載している情報は2024年6月確認時点のものです

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