介護のお仕事は、専門的な知識やスキルが必要な専門職。学歴よりも資格や経験がものをいう、いわば実力主義の世界です。
それは、これからの自分のがんばり次第で、上を目指せる余地が大いにあるということ。
資格を取ることは、「自分はどんなプロフェッショナルになって、どんなスキルを人生の糧にして生きていくのか」につながっていきます。
そこで今回は、仕事に役立つ介護の資格を見やすい一覧表にしてみました。自分の伸ばしたいスキル、興味のある分野をチェックして、今後のスキル設計にぜひ役立ててくださいね。
主要な介護資格一覧
資格名 | 内容 | 難易度 | 受験資格 |
1.介護職員初任者研修 | 介護職の入門資格 | ★ | なし |
2.介護職員実務者研修 | 介護職の中級資格 | ★★ | なし |
3.介護福祉士 | 介護職の国家資格 | ★★★ | 実務者研修を修了していること+3年以上の実務経験 |
4.認定介護福祉士 | 介護福祉士の上位資格 | ★★★★ | 介護福祉士を取得してから5年以上の実務経験 |
5.ケアマネジャー(介護支援専門員) | ケアプラン作成や事業所との橋渡し、連絡調整など | ★★★★ | 介護福祉士などの国家資格をとってから5年以上の実務経験 |
1の初任者研修と2の実務者研修は、とくに介護の資格や経験がなくてもチャレンジできる資格。なかでも初任者研修は、130時間のカリキュラムで比較的ハードルが低いため、入門資格として人気です。
1〜4までは介護の現場でお年寄りと触れ合いながら、介護士としてステップアップしていくコースです。3の介護福祉士からは、受験資格として実務経験なども必要になってきますが、その分、国家資格としてしっかりと評価され、給料がアップするメリットも。
現状多いのは、3の介護福祉士から4を飛ばして5のケアマネジャーに進むケースです。ケアマネジャーになると、現場から離れてケアプランを作成したり、連絡や調整するなどのデスクワークが多くなります。
夜勤がないことや、給料面でのメリットも大きいので、最終的にケアマネジャーを目指してキャリアを積む人も多くなっています。
持っていると仕事に役立つ資格一覧
資格名 | 内容 | 難易度 | 受験資格 |
1.福祉用具専門相談員 | 利用者にあった福祉用具の選定など | ★ | なし |
2.福祉住環境コーディネーター | バリアフリー住宅のコーディネート | 2級:★★ | 2級:なし |
3.喀痰吸引等研修 | 痰や唾液を取り除く「喀痰吸引」や「経管栄養」のケアができる | ★ | 該当する介護施設に勤務していること |
4.ガイドヘルパー | 一人では外出が困難な人に付き添い、移動をサポートする | ★ | ほぼなし(自治体によって違いあり) |
5.重度訪問介護従事者養成研修 | 重度の肢体不自由者に対する専門的なケア技術 | ★ | なし |
6.認知症介護基礎研修 | 認知症ケアの基本 | ★ | 介護施設に勤務していること |
7.認知症介護実践者研修 | 実践的な認知症ケア | ★★ | 2年以上程度介護施設に勤務していること |
8.認知症介護実践リーダー研修 | 認知症ケアについてチームをまとめたり後進の指導を行うなどのリーダースキルを身につける | ★★★ | 認知症介護実践者研修を修了し1年以上+現在ケアチームのリーダーかリーダー候補で介護現場経験が5年以上など |
9.認知症ケア専門士 | 認知症ケアに関する専門知識 | ★★★ | 3年以上の認知症ケアの実務経験 |
1の福祉用具専門相談員は、介護職が日々扱う車椅子や歩行器、いろいろな補助用具の知識が身につくので、すぐに仕事で役立てられる資格。難易度もそれほど高くないので、介護系の資格とともに、ぜひ持っておきたい資格です。
3の喀痰吸引等研修は、無資格や初任者研修しか持っていない場合に取得すると、喀痰吸引などの医療的ケアができるようになり、仕事の幅が広がります。
また、3〜8はすべて都道府県などの自治体が母体となって行う公的な資格なので、これを修了していると給料面、待遇面、転職面などで有利に働くことも期待できます。
9は民間の資格ですが、認知症ケアについての深い知識が身につくので、認知症の方と多く関わる仕事をされている介護職の方におすすめの資格です。