「介護職員初任者研修」が介護資格の入門編だとすると、「介護福祉士」は上級資格として知識や経験を認められ、介護サービスの中心となる役割を担う重要な存在です。
介護福祉士になるためにはどうしたらいいでしょうか?そして、介護福祉士に必要なスキルとは何でしょうか?
介護福祉士は将来性の高い資格
日本は少子高齢化の時代に突入し、その傾向は今後も続いていくことでしょう。高齢者の割合は、2013年の段階で日本の総人口の25%にも及ぶというデータも出ています。
このような状況で、高齢者の介護を行う介護職の需要はますます高まっていくと予想されます。
介護福祉士は、社会福祉士、精神保健衛生士と並ぶ福祉系三大国家資格の一つです。
業務の内容としては、障がい者や高齢者の方を対象に、状況に応じた介護を提供したり、他業種との連携のため幅広い領域の知識技術が必要です。また、利用者の悩みや相談事に耳を傾けたり、家族に指導や助言を行ったりするのも大切な仕事です。
昇給や賞与にも大きく関わってきますので、介護の仕事を続けるなら、介護福祉士資格を取得を目指したいですね。
介護福祉士になるには
介護福祉士の資格を取るためには、受験に必要な条件を満たす必要があります。
- 福祉系の学校で規定のカリキュラムを受けた人
- 3年以上の介護の実務経験がある人
ただし、介護福祉士に関する法律は、このところ毎年のように改正されています。
第29回試験(平成29年1月下旬に筆記試験実施予定)からは、実務経験ルートによる受験資格は「実務経験3年以上」かつ「実務者研修修了者」になります。
今後も改正される可能性がありますので、介護福祉士を目指す際はよく注意して、定期的に最新情報をチェックしておきましょう。
~ 介護福祉士を目指すのに必要な4つのスキル ~
介助のスキル
介護福祉士の資格取得に3年間の実務経験が必要とされているのは、確実な介助のスキルが必要だからです。 自分の体のコンディションを整えることを意識し、日頃からストレッチをしてから業務に入るようにし、ボディメカニクスを最大限活用した介助を心がけましょう。
なお、介護福祉士の実技試験は、介護技術講習修了者、実務者研修修了者、福祉系高校(新カリキュラム)卒業者、養成施設卒業者(受験義務化後)は免除となります。
効率的な学習スキル
3年間の実務経験ルートから介護福祉士を目指すためには、働きながら介護福祉士の勉強をするという、仕事と勉強の両立が要求されます。
夜勤もあるハードな仕事をこなしつつ、介護福祉士資格をとるための受験勉強をするためには、効率的な勉強が必須です。
何十冊以上も教科書や参考書に手をつけるより、「要約参考書」「過去問題集」「予想問題集」の3冊程度に絞り込み、これらの本の内容を確実に覚えるようにします。
試験範囲のすべての知識を学ぼうとするより、頻出テーマについて確実に正解できるようになっておくことが大切です。
試験問題に適応するスキル
新科目で実施された第24回試験以降の過去問題を、少なくとも3回は解いてみましょう。
どんな資格試験も、その試験特有の性格を持っています。出版社の予想問題集はあくまで予想であって、試験のカラーを確実に反映しているとは限りません。
その試験は過去問題にもっとも色濃く出やすいようです。その色合いに慣れ親しんでおくことで、本試験でも、見慣れた相手のように落ち着いて対処することができるようになります。
地域特性を理解するスキル
資格試験の話とは少し離れますが、福祉の仕事は、働く町の地域特性と密着していることが多いという特性があります。
たとえば、「この町は坂道が多い」などの地理的特性、「お祭りが多い」など風習的な特性、住民同士の横のつながりが強いなどの世間的特性を理解しておくと、利用者の介助やコミュニケーションなど、サービスの提供に役立ちます。
普段から職場のある地域に対してアンテナを立てておきましょう。
まとめ
介護福祉士の資格をとっておけば、自分の希望や条件優先で職場を選ぶことができ、給与アップなどの待遇改善も見込めます。
また、介護福祉士に加えて、社会福祉士や保育士などの資格をとり、業務の幅を広げることもできるでしょう。
取得までに少し時間のかかる資格ではありますが、長い人生から見ればあっという間です。あせらずに長い目で見て、介護福祉士の取得を目指しましょう。