人生100年時代はもう目前。私達にとって「老後資金をどう確保するか」は切実な問題です。節約に励んで支出を減らすのも良いですが、ガマンばかりではせっかく長生きしてもつまりません。手っ取り早いのは収入を増やすこと。
「いくつになっても元気なうちは働きたい」、そんな願いを持つ人にとって介護の仕事はどうなのでしょうか? このコラムでは、実際に介護現場で何歳くらいまで働けるものなのか、高齢で介護職として働く場合に注意すべき点など、詳しくお伝えしていきます。
年齢に関係なく活躍できて、社会に貢献しながら貯蓄も増やせる・・・介護の仕事にはシニア世代にうれしいメリットがたくさんあります。ぜひこのコラムで介護の仕事について詳しく知ってくださいね。
介護業界では何歳になっても働ける
介護業界も他の業界と同じく、正社員であれば60~65歳定年制を採用している事業所が主流です。しかし慢性的な人手不足に対応するため、ほとんどの事業所では定年後も再雇用や嘱託などの制度を使って雇用を延長することができます。
またパートやアルバイトなどの短時間労働であれば、年齢に制限はなく何歳でも働くことができます。実際に「年齢不問」「シニア歓迎」といった介護の求人はたくさんあります。やりたいという気持ちと健康な体さえあれば、何歳からでもチャレンジできるのが介護業界なのです。
介護業界で働く人の年齢層は?
令和3年度の介護労働実態調査※によると、介護の仕事に携わる人の平均年齢は47.7歳。比率は40代が27.2%、50代が24.1%で、40代50代が最も多いボリュームゾーンとなっています。
しかし60代の割合に目を向けてみると、13.2%とこちらも軽視できない存在感。70歳以上の割合も2.7%となっています。60歳以上の介護労働者は年々右肩上がりに増加しているため、この比率は今後さらに高まることが予想されます。
介護職員として働く場合、20代はもちろんですが30代・40代も若手のうちです。35歳以上で始めても十分やっていけるので、セカンドキャリアを目指して他業種から転職してくる人も多数。60代ならバリバリ現役、70歳以上で働いている方も、今後は珍しい存在ではなくなっていくはずです。
※参考:令和3年度介護労働実態調査 介護労働者の就業実態と就業意識調査結果報告書(公益財団法人 介護労働安定センター)
シニア世代におすすめの仕事は?
まだまだ元気なシニアでも、やはり利用者様の体を持ち上げるなど力が必要な業務は心配があるのではないでしょうか。介護現場にはさまざまな業務があり、なかには体力がなくてもできる仕事もたくさんあります。若い頃のようなムリがきかなくなってきたと感じるシニアは、下記のような業務を中心にするのがおすすめです。
・利用者様のお話し相手
・お茶出し
・レクリエーションの補助
・食事やおやつの配膳
・食事介助
・清掃・リネン交換
・調理、買物代行などの生活援助 など
利用者様のお話相手やレクリエーションの補助などは、若い世代より社会経験を積んだシニアの方が上手であることも少なくありません。利用者様のお話を傾聴したり、コミュニケーションをとることは介護職の重要な仕事のひとつであり、喜ぶお顔を見ながらやりがいを持って取り組むことができます。
逆に体力に自信がなくなってきたシニアは避けた方がよい仕事を挙げてみましょう。
・入浴介助
・移乗介助
・排泄介助
・夜勤 など
やはり体への負担が大きい仕事は事故の危険もあるので、体力の衰えを感じる方は避けた方が無難です。もちろん「日頃からよく体を動かしていて体力には自信がある」という方、「夜にはめっぽう強い」といった方はチャレンジしてみるのもアリ。
ただし絶対にムリはしないようにしましょう。自分の力を過信した結果、転倒などの介護事故を起こしてしまっては取り返しがつきません。自分にできることをよく見極め、できないことはできないとしっかり伝えることが大切です。
また、介護職にとっては自分自身の健康管理も重要な業務の一環。「腰や肩を痛めて急に出勤できない」などということになると、周囲のスタッフに迷惑をかけることになってしまうため注意しましょう。
シニアが未経験から介護職を始める場合には、いきなり老人ホームなどの入居型介護施設で働きだすのではなく、利用者様が日中通いで利用するデイサービスや、利用者様の自宅を訪問して仕事を行う訪問介護事業所などがおすすめ。基本的に介護度の高い人が少なく夜勤もないため、初めての方でもスムーズに慣れていけるでしょう。
未経験シニアにおすすめの資格は?
介護職は資格がものをいう職種。資格を持っていれば就職に有利になったり、時給アップや仕事の幅が広がるなどメリットがたくさんあります。介護の知識も効率良く身につきますので、「今さら・・」なんて思わずにぜひチャレンジされることをおすすめします。
- 認知症介護基礎研修
まったく資格を持っていない新人介護職向けの研修で、無資格の介護職はこの研修を受けることが義務となっています(経過措置期間:2023年まで)。
・研修時間:半日程度
・費用:無料~5,000円程度
- 生活援助従事者研修
介護の基礎をコンパクトに学べる公的資格。修了すると訪問介護事業所でホームヘルパーとして掃除や洗濯、調理や家事代行などの生活援助サービスを行えるようになります。
・研修時間:59時間(そのうち29時間は通信形式可)
・費用:3,000円~30,000円程度
- 介護職員初任者研修
介護の基礎知識や基本のスキルを学べる公的資格で、資格保持者を募集する求人も多数。修了すると訪問介護事業所でホームヘルパーとして働く際、食事介助や排泄介助など、利用者様の体に直接触れるケアも行えるようになります。
・研修時間:130時間(そのうち40.5時間までは通信形式可)
・費用:無料~12万円程度
こちらのコラムも参考に≫「こんな介護職になりたい」を叶える介護の資格、30種類をチェック
介護職は何歳からでもチャレンジできる
年齢不問で未経験OKの求人といえば「清掃員」や「警備員」などが頭に浮かびますが、実は「介護職員」も年齢に関係なく活躍することができる職種。たしかに未経験だと採用へのハードルは高くなりますが、資格を取得すれば応募できる求人もグンと増えます。
資格取得費用が気になる人には、かいごGardenで実施している資格取得応援キャンペーンがおすすめ。2023年3月末まで、資格取得費用を全額キャッシュバックしています。専任のキャリア・コーディネーターが、ご希望の施設にマッチングするまでとことんサポートしますので、介護職に興味をお持ちの方はぜひお気軽にご相談くださいね。
介護の仕事の魅力は、なんといっても人生経験豊かなご長寿との心温まるやりとりや、仲間とチームワークで壁を乗り越えていく過程など、人との関わりのなかで得られるさまざまな喜びです。ぜひ勇気を出して一歩を踏み出し、介護の魅力を知ってくださいね。