介護福祉士の資格を取得したあと「さらなるステップアップのために、新しい資格を取得したい」と考える時はありますでしょうか。
もちろん介護福祉士も国家資格であり、介護のスペシャリストとしての証明になります。そして、さらにスキルアップを目指すために、介護福祉士の次に取得しておきたい資格を紹介いたします。
介護福祉士の資格を持つ人が、次に取得しておきたい資格の一覧
- 介護支援専門員
- 社会福祉主事任用資格
- 認知症ケア専門士
①介護支援専門員の資格について
介護支援専門員は、通称ケアマネジャーと呼ばれている資格です。2018年より、介護福祉士の資格を取得してから5年実務経験を積まなければ、受験資格を得ることができなくなりました。
介護支援専門員は、家族との関わり、病院や他事業所などの他職種との橋渡し役として、行動する事が多いです。
介護現場を深く経験していることが、ケアマネジャーの業務を大きくバックアップできると考えます。
介護支援専門員の仕事
主に人との対話やケアプランの作成など、デスクワークのイメージが強いケアマネジャーですが、業務範囲は多岐に渡るため、介護現場の経験が豊富であればあるほど業務を進めやすくなります。
例えば、入所施設などでケアマネジャー業務を行う場合、自身が入所施設での現場経験があると、利用者さんがどのようなケアを行われているのかを、詳細に知ることができます。
そして利用者さんの家族や、他の事業所などにも利用者さんの様子や状態を分かりやすく伝えることができます。
介護支援専門員は、介護現場よりも体力的に負担が減るため、長く続けることが出来るようになります。
介護支援専門員の資格を取得する方法
介護支援専門員を取得するためには、介護福祉士を取得後、実務経験5年が必要となります。
実務経験を証明する書類を勤務先に証明してもらうことで、受験資格となります。筆記試験に合格後、研修を受けることにより、介護支援専門員として登録されます。
②社会福祉主事任用資格について
社会福祉主事任用資格は、デイサービスや入所施設において、生活相談員として勤務することができる資格です。
介護のプロとして証明できる介護福祉士を取得したあとは、社会福祉主事任用資格を取得しておくことで、生活相談員になれる可能性があります。
介護福祉士を取得していることにより、現場にも強みがある職員として活動することができるでしょう。場所にもよりますが、デイサービスなどの生活相談員の場合、現場と兼務している方も多いので、現場を知っていると非常に強みになります。
社会福祉主事任用資格は、現場を知っている職員が外部との交流を行う際、自分の職場の長所や短所を知っているということを相手にも伝えることができますし、相手との信頼を築くことができるようになります。
社会福祉主事任用資格を取得する方法
この資格は通信教育で取得することが可能です。1年間の在籍が必要となりますが、働きながら取得することが可能となっている資格です。
③認知症ケア専門士の資格について
認知症ケア専門士はその名の通り、認知症の適切なケアを知識として得ることができる資格です。
以前よりも介護施設のユニット化が進み、個別でのケア提供が重視されてきています。
認知症に対して適切なケアを心がけることができる資格として、介護福祉士とともに取得しておきたい資格です。
また、新しく入社してくる職員に対しても、認知症に対する教育を的確に伝えていくことができるようになります。
認知症ケア専門士の資格の活用方法
いざ介護福祉士になってからも、それまでの実務経験の違いにより、認知症ケアに対する職員同士の言葉のすれ違いや、価値観のすれ違いがあるかもしれません。
職員同士で会話をする時、認知症ケアに対する知識が無ければ、お互い現在までの経験上の話しかすることができませんが、本来は認知症の知識をベースに新しいケア方法を考えていく必要があります。
認知症ケアに対する知識がしっかりと身に付いていれば、新しい意見を提案することもできるでしょう。
また、介護福祉士として転職する場合にも、認知症ケアを特に必要としている施設グループホーム、入所施設での認知症を特に必要とするフロアなどで、認知症に対しての知識がある証明にもなりますので、即戦力として期待されるでしょう。
認知症ケア専門士は、認知症の学習をさらに深く掘り下げることで、職員だけではなく、利用者さんにとっても快適な空間を提供できるものであると、考えられます。
認知症ケア専門士の資格を取得する方法
認知症ケア専門士の資格を取得するためには、認知症ケアの実務経験3年(継続では無く、合計)が必要となります。
一次試験は筆記試験、二次試験は論述と面接となっています。
介護福祉士の資格の取得は”スタート”地点、次にどう進むかは貴方次第
介護福祉士の資格を取得してから、今までの経緯を振り返って見てください。
介護福祉士として働き出した時と比べて、気持ちに変化はありますか? 例えば、利用者さんと接する時、”もっとこうしていればよかった”、”もっとこういうことをしてあげたい”と、人それぞれ様々な気持ちが湧いてくるのではないでしょうか。
今回ご紹介した、介護福祉士の次の資格である、
- 介護支援専門員の資格
- 社会福祉主事任用資格
- 認知症ケア専門士の資格
これら3つの資格は、介護業務に携わる者としての自分自身を見直し、利用者さんにどのような接し方やサービス内容を提供できるかについて意識して欲しいと考えてピックアップしました。
しかし、もちろんこれ以外の選択肢があってもいいのです。
介護士の次の資格の勉強で、様々な観点から「介護」に関する価値観を養う
「介護福祉士の次の資格として、何の資格を取ればいいのか?」という問いに正解はなく、あなたが介護業界で働く人間としてどうありたいかをじっくり考え、そのためのスキルアップとして、必要な資格の勉強をしていくべきかと思います。
介護福祉士は現場のプロとして国家資格に位置付けられていますが、介護福祉士からさらなるステップアップを目指して、介護士の次の資格の勉強をすることで、知識が身に付くだけではなく、自分自身のメンタルや考え方がブラッシュアップされます。
様々な観点から「介護」に関する価値観を養っていくことができれば、利用者さんに提供できるサービスの価値が向上するきっかけにもなることでしょう。