デイサービスで働く介護職のお仕事内容とは?歓迎されるスキルや必要な資格、給料などを徹底解説
デイサービス(通所介護)は、要介護認定を受けた高齢者が日帰りで通い、介護サービスを受ける通所介護施設です。車で送迎を行うデイサービスが一般的で、昼食や入浴、レクリエーションなどが提供されます。要介護度が低く、元気のある利用者が多いことが特徴で、専門的な介護スキルが必要とされる場面は多くありません。
そのため、介護職が初めての人でも比較的働きやすい職場といえるでしょう。
デイサービスとは?
デイサービスは、要介護認定を受けた高齢者が日帰りで通い、介護サービスを受ける通所介護施設です。利用要件は65歳以上で要支援1〜2、あるいは要介護1以上の認定を受けている方、または特定疾病を持つ64歳未満の方となっています。比較的、要介護度が低く、元気のある方の利用が中心となっています。
デイサービスでは昼食や入浴、レクリエーションが提供されるほか、リハビリテーションが行われることもあります。
利用者は、デイサービスの利用により、他の利用者や介護職員と交流したり、体を動かすことができます。このようにデイサービスで活動することによって、認知症の予防や孤立感の解消、身体機能の維持に繋がります。
また、デイサービスを利用することで、家族は介護から離れ、休息やリフレッシュの機会を得ることができます(レスパイトケア)。デイサービスは、家族の負担軽減の役割も果たしています。
一般的なデイサービスは、滞在型の介護施設に比べて要介護度が低く、自立した生活が可能な利用者が多いため、介護スタッフの身体的負担は少ない傾向にあります。また、勤務は日勤のみ、日曜は休日となる施設が多く、育児や家事との両立もしやすい職場といえるでしょう。
デイサービスには、いくつかの種類があります。以下でそれぞれを詳しく紹介いたします。
小規模デイサービス(地域密着型通所介護)
1日の利用定員が18人以下のデイサービスです。少人数制を活かし、利用者の状況や要望に合わせて柔軟なサービスを行うことができます。アットホームな雰囲気が特徴で、利用者お一人おひとりとじっくり向き合う介護がしたい方に向いているでしょう。
大規模デイサービス(大規模型通所介護)
1日の利用定員が19人以上のデイサービスです。さらに、月の利用者が750名以上900人以内の「大規模型I」、月の利用者が900人以上の「大規模型II」に分けられます。利用者・介護スタッフともに数が多いため、活気のある雰囲気が特徴といえるでしょう。また、施設規模が大きいため、設備が充実している傾向にあります。
リハビリ特化型デイサービス
身体機能の回復や維持を目標に、リハビリに重点を置くデイサービスです。リハビリは理学療法士など専門スタッフが行い、介護スタッフはサポートにあたります。リハビリ特化型デイサービスでは、食事や入浴介助、レクリエーションを実施しない施設がほとんどです。
認知症対応型デイサービス(認知症対応型通所介護)
認知症の高齢者を対象としたデイサービスで、1日の利用定員は12人以下と定められています。環境の変化に敏感な認知症の方に寄り添い、認知症特有の症状に配慮した運動やレクリエーションを提供します。
お泊まりデイサービス
通常のデイサービスが終了した後、同じ施設に宿泊できるサービスです。ショートステイの空きが慢性的に少ないといった事情から、家族からの需要が高いサービスです。
要介護度が低い利用者が多いため、通常のデイサービスと同様に、介護スタッフの身体的負担は比較的軽めです。また、通常のデイサービスとは異なり夜勤があるため、給与アップしたい方にはおすすめの職場です。
デイサービスで働く介護職員の仕事内容は?
デイサービスの具体的な仕事内容は施設により異なりますが、代表的な業務を紹介します。
送迎
デイサービスは、利用者の送迎が必要です。介護スタッフは送迎バスに乗り、乗り降りのサポートをします。利用者の自宅へお迎えに行き、帰宅時もバスに同乗し自宅まで送ります。車椅子を利用する方は備え付けのリフトで乗降し、介護スタッフはサポートを行います。
食事介助
デイサービスでは、昼食とおやつを提供することが一般的です。利用者によって異なる嚥下能力や咀嚼能力にあわせて、食事介助を行ないます。食事をする時間を楽しみにしている方もいるため、楽しい時間になるよう気遣いながらサポートをすることが必要でしょう。
入浴介助
介護スタッフは利用者がスムーズに入浴できるよう、脱衣や洗身などを行います。要介護度が低い利用者が中心ではありますが、介護スタッフは、危険がないようしっかり注意することが必要です。
排泄介助
デイサービスでは、自立した生活を送る利用者が多いため、おむつなどの排泄介助は少ない傾向にあります。介護職員は、決まった時間に声をかけてトイレの使用を促すなど、自尊心に配慮しながらサポートをすることが求められます。
レクリエーション
レクリエーションは、身体機能の維持や認知症の予防、利用者同士の交流などを目的として行われており、介護スタッフにとっては業務の柱の一つともいえるでしょう。レクリエーションでは、簡単な体操やカラオケ、手芸、おりがみなど、楽しみながら行えるメニューが取り入れられています。介護スタッフは利用者の好みや身体機能などを考慮し、レクリエーションの企画、準備、進行などを行ないます。
デイサービスの仕事の1日のスケジュールは?
施設により異なりますが、ここでは一般的な例をご紹介します。
8:00 | 出勤、予定を確認する |
8:30 | 利用者のお迎えに出発 |
9:30 | 施設到着、体調確認 |
10:30 | 入浴介助、着替え介助など |
11:30 | 昼食準備 |
12:00 | 昼食、食事介助、服薬介助、口腔ケアなど |
14:00 | レクリエーション、運営、後片付けなど |
15:00 | おやつ、食事介助 |
15:30 | 介護記録記入、利用者の荷物整理 |
16:00 | 送迎出発 |
17:00 | 施設の清掃、退勤 |
デイサービスで働くために必要な資格やスキルは?
デイサービスで勤務するために必要な資格・スキルは以下の通りです。
必要な資格
デイサービスは、資格や経験がなくても介護職として働くことができます。要介護度が低く、自立した生活が可能な利用者が多いため、介護職が初めての方でも働きやすい職場といえるでしょう。ただし、初任者研修や実務者研修、介護福祉士などの介護関連の資格を持っていると、仕事に役立ったり、転職しやすいというメリットがありますので、介護職として勤務する方は取得することも検討しましょう。
歓迎される資格やスキル
コミュニケーションスキル
デイサービスは元気な利用者が多く、介護スタッフや他の利用者との交流を楽しみにしている方もいます。利用者と積極的にコミュニケーションをとることができる方に向いている施設といえるでしょう。 また、レクリエーションなどで利用者の参加を促し、率先して場を盛り上げていくことが得意な方は歓迎されます。
自動車運転免許
利用者の送迎業務のため、運転免許を持っている方や、近隣地域の地理に詳しい方は歓迎されます。デイサービスでは、専属のドライバーが送迎業務を行うことが多い傾向にありますが、事業所によっては介護スタッフが送迎の運転を行うこともあります。
デイサービスで働く介護職員のお給料は?
デイサービスで働く介護職員の平均給与を紹介します。
施設により異なりますが、厚生労働省の「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果」によると、デイサービス(通所介護事業所)で勤務する介護職員の平均月給は以下の通りとなっています。
雇用形態 | 平均給与 |
---|---|
常勤 | 275,620円 |
非常勤 | 168,170円 |
介護職全体の平均給与は、常勤で317,540円、非常勤で209,540円ですので、デイサービスに勤務する介護職員の平均月給は、常勤、非常勤ともに平均を下回っています。
また、他の施設形態(常勤)と比較すると、以下の通りです。
施設形態 平均給与
(常勤)特別養護老人ホーム
(介護老人福祉施設)348,040円 有料老人ホーム
(特定施設入居者生活介護事業所)313,920円 グループホーム
(認知症対応型共同生活介護事業所)291,080円 サービス付き高齢者向け住宅
(特定施設入居者生活介護事業所)313,920円
デイサービスで働くメリット
デイサービスで勤務するメリットは以下の通りです。
身体的負担が少ない
デイサービスは、要介護度が低く、自立した生活ができる方が多く利用しています。そのため、移乗介助や入浴介助など、介護スタッフが体力を必要とする場面は比較的少ない傾向にあります。
夜勤がなく、日曜・祝日が休みの施設が多い
デイサービスは、日帰り利用が一般的なため、原則夜勤がありません。また、日曜日を休日としている事業所も多いため、生活リズムを家族と合わせやすいことがメリットといえるでしょう。育児と両立したい方にも働きやすい職場です。
利用者とのコミュニケーションが活発
デイサービスの利用者は、比較的元気な方が多いため、施設内に活気があり、介護スタッフとスムーズに意思疎通できる環境が一般的といえます。
利用者とコミュニケーションをとりながら、一人ひとりに寄り添った介護ケアをしたい、という方にはおすすめの職場です。
デイサービスで働くデメリット
一方で、デイサービスで勤務することで考えられるデメリットは以下の通りです。
専門的な介護知識が身につきにくい
デイサービスでは、食事介助やレクリエーションなどが業務の中心となることがあり、高度な介護技術に触れる機会は頻繁ではありません。働きながら、介護スキルを磨いていきたい、という人にとっては物足りなさを感じてしまうかもしれません。
送迎業務がある
施設によって異なりますが、介護スタッフが送迎車を運転して、利用者の送り迎えを行うデイサービスもあります。運転が得意でない方、普段、運転しない方には難しい業務となるでしょう。応募時に施設に確認することが重要です。
給与が低い傾向にある
介護スタッフの身体的な負担が少なく、夜勤勤務がないデイサービスは、働きやすい職場である一方で、他の福祉施設と比べて給与が低い傾向があります。
先述の通り、厚生労働省「令和4年度介護従事者処遇状況等調査」によると、介護職全体の平均給与に比べ、デイサービスに勤務する介護職員の平均月給は、常勤、非常勤ともに下回っています。
デイサービスの仕事に向いている人の特徴
デイサービスの仕事に向いている人は以下のような方です。
サービス精神が旺盛な人
レクリエーションはデイサービスの重要なプログラムです。利用者に楽しく参加してもらうためにも、介護スタッフのスムーズな運営は不可欠といえます。大勢の利用者を前に、積極的に話しかけ、場を盛り上げていけるサービス精神やバイタリティのある人に向いています。
介護職経験を活かしたい人
デイサービスでは、体力を使う身体介護などは少ない傾向にあります。年齢を重ね体力に自信がなくなったり、腰痛などで重度の介助が難しいという方でも、今までの介護職の経験を活かすことができる働きやすい職場です。
デイサービスのお仕事に関するよくある質問
デイサービスのお仕事について気になるこんなこと。よくある質問に、介護専門のキャリアアドバイザーが回答します。
Q.介護職は未経験で、資格も持っていません。デイサービスで働くことは可能ですか?
デイサービスは無資格の方でも勤務することが可能です。また、元気な利用者も多く、専門的な介護スキルが必要とされる場面は比較的少ないといえます。そのため、介護職未経験の方でも働きやすい職場でしょう。
介護職経験や資格の有無を問わず、利用者に寄り添い、楽しい1日を過ごしてもらうために気を配ることが重要です。
Q.給料は安い?仕事は楽ですか?
特養など施設形態と比べると、給料は低い傾向にあります。しかし、デイサービスは夜勤がなかったり、重度な介助など身体的な負担が少ない分、働きやすい職場です。
ただし、業務の中で利用者との会話やレクリエーションの比重が大きくなるため、それをどのように感じるかは各個人によって異なるでしょう。
Q.デイサービスの介護職員は、送迎時の運転は必須ですか?
施設によって異なります。
利用者の送迎時の運転を介護職員が行うことはありますが、専属のドライバーがいる施設も多くあります。
まとめ
デイサービスは、要介護認定を受けた高齢者が日帰りで通う通所介護施設です。昼食や入浴、レクリエーションなどが提供され、介護スタッフは、利用者一人ひとりの身体機能に合わせて食事や入浴、排泄の介助を行います。
要介護度が低く、元気な利用者が多いことがデイサービスの特徴で、そのため、介護スタッフの体力的な負担は軽いといえるでしょう。専門的な介護スキルが必要とされる場面は少ないため、介護職初心者がチャレンジしやすい職場です。
利用者と積極的にコミュニケーションを取れる人、レクリエーションで率先して盛り上げられる人は歓迎されるでしょう。
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